運送業（トラック事業）の運行管理者の選任条件や必要人数、届出方法を解説

運送業（トラック事業）を始めるにあたり、運行管理者を専任する必要があります。

運行管理者は、ドライバーに点呼を行い、健康状態やアルコール検査など、運行前の確認を行うことが主な業務。運転者以外の従業員から1名以上（使用するトラック台数により必要人数が変動）が所属している必要がありますので、事前に用意しておきましょう。

トラック事業の運行管理者の条件

運行管理者は誰でもなれるものではなく、いくつかクリアすべき条件があります。

資格要件	次の1、2いずれかを満たしている 1．5年以上の実務経験、かつ、所定の講習5回以上受講している（受講講習のうち1回は基礎講習である必要がある） 2．運行管理者試験に合格
年齢要件	満20歳以上であること
その他の要件	1．欠格事由に該当していないこと 2．精神的及び身体的に健康であること

なお、運行管理者試験の受験資格として「1年以上の実務経験」または「基礎講習受講」が必要となります。

また、資格要件内の「実務経験」 とは、 運行管理代務者又は補助者として実際に運行管理業務 に携わっていた経験をいいます。いずれにしても実務経験が必要ですが、『5年以上の実務経験かつ所定の講習を5回以上受講』は初めて運行管理者を目指す人にとってはハードルが高いため、運行管理者試験の合格から目指す方が良いでしょう。

必要人数・計算方法

トラック事業で必要な運行管理者の人数は、事業で使用する自動車の台数によって変わります。

事業用自動車の台数	運行管理者数
29台まで	1名
30台～59台	2名
60台～89台	3名
90台～119台	4名
120台～149台	5名

事業所ごとに保有車両29両まで1名、以降30両ごとに1名追加する必要があります。

複数会社での兼任は難しい

業務量を考慮すると現実的ではありませんが、複数の会社を1人の運行管理者が兼任することは法律上問題はありません。

ドライバーとの兼務は可能

ドライバーが運行管理者を兼務することは法律上問題ありません。しかし、自身を点呼することはできませんので、実質代わりに点呼できる人材（例えば、別の運行管理者や運行管理補助者）が在籍している必要があります。

外部委託は難しい

国土交通省の条文では、外部委託が禁止されている旨は明文されていません。つまり、運行管理者を外部委託すること自体は問題ないということです。

ただし、運行管理者の業務の特性上、外部委託することは現実的ではなく、ほぼ不可能といえます。

運行管理者は安全にトラック事業を運営するために、運転者の管理を行います。たとえば、運転者の乗務前点呼を行ったり、運行指示書を作成したり、非常に多くの業務が課せられています。

また、運行管理者という立場上、実質的な指揮命令権を所有する必要があるため、外部に任せることは難しいといえます。

同様の考えでアルバイトやパートでの雇用も現実的ではありません。

運行管理者選任届の提出手順

手順1．必要書類を準備する

運行管理者を選任する場合、上記書類を遅滞なく届出る必要があります。具体的には運行管理者を選任した日の翌日から1週間以内です。

運行管理者選任（解任）届出書の様式は全日本トラック協会のウェブサイトで入手することができます（運輸局ごとに様式が異なります。必ず自社の管轄の運輸局の様式をご利用ください）。

手順2．管轄の運輸局に持っていく

Wordでダウンロードできますので、必要事項を記入後、印刷して所在地を管轄する運輸支局整備課に持っていきましょう。

手順3．承認

運輸局が提出された運行管理者選任届出書を受理し、内容を確認後、運行管理者の選任を審査します。必要な場合、追加の情報を提供するように指示されることがあります。

審査が完了したら、運輸支局整備課は運行管理者の選任を承認します。

運行管理者の選任が承認されたことを通知されたら、運行管理者の名前や役職の変更、必要な文書の更新など、運行管理者の変更を適切に反映させましょう。

以上で運行管理者の選任に関する手続きが完了となります。

運行管理者選任届の書き方

運行管理者選任届の記載部分は上記の①～⑤、そして以下に掲載する⑥の部分です。

①の部分では届出者の氏名や住所、営業所の名称や住所を記入します。

②の部分は「選任」「解任」から選択できますので、「選任」の方を〇で囲ってください。

③の「事業の種類」については「5．一般貨物」を〇で囲みます。その下に届出に係る自動車の台数を記入する欄がありますので、事業用の欄に車両台数を記入してください（自家用、レンタカーの場合は、それぞれ所定の欄に記入してください）

⑤の部分は解任する運行管理者がいる場合に記入します。

⑥の部分は選任する運行管理者の情報を記入します。

運行管理者選任届を無料で代行作成いたします

以上を参考に運行管理者選任届を提出すれば、運行管理者の選任が完了するかと思います。必要書類は少なく、記入する項目もないため取り組みやすいですが、普段の業務が忙しいとなかなか手を付けられないこともあるかるかと思います。

そのような事業者向けにSBサポートでは運行管理者選任届を無料で作成（※）しています。

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