休憩室・仮眠室

貸切バス事業の休憩室・仮眠室の要件と新規認可のための書類の書き方

貸切バス事業の休憩室・仮眠室の要件と新規認可のための書類の書き方

貸切バス事業(一般貸切旅客自動車運送事業)の事業認可を受けるには大量の書類を用意したり、様々な条件にクリアしたりする必要があります。その中でも理解しづらいのが休憩室と仮眠室の要件です。

そこで、本記事では自動車運送事業認可の必要要件である休憩室と仮眠室について説明していきます。

休憩室・仮眠室に関する4つの要件を満たす必要があります。

休憩室・仮眠室の要件

営業所および事業用自動車を保管している駐車場から直線距離で2km以内の場所に設置

原則として、営業所もしくは自動車車庫に併設しなければなりません。

ただし、併設が難しい場合は営業所および自動車車庫のいずれからも直線で2km以内の範囲に休憩室・仮眠室を設ける必要があります。規定よりも離れすぎていると休憩室・仮眠室として認められないため、注意が必要です。

休憩室・仮眠室の使用権限があることを証明

休憩室・仮眠室に使用権限があるかどうかを確認されます。たとえば、ネットカフェやホテルなどは使用権限を証明できないため、休憩室・仮眠室として認められることはありません。

休憩室・仮眠室の使用権限を証明するためには、賃貸契約の場合は賃貸借契約書、自社(自己)所有の場合は登記簿の提出が必要となります。

ただし、賃貸借契約書の場合は契約期間が3年以上なければ使用権限が認められないため、注意が必要です。

万一、契約期間が3年未満であった場合でも、契約期間満了時に契約期間が自動更新されることを証明できれば、要件に満たすことができます。

建築基準法や各省令に抵触していないこと

建築基準法や消防法などに抵触していないことが条件となります。各省令に抵触していなことを証明する必要はありませんが、事業認可申請時に誓約書を書かなければなりません。虚偽の報告をすると、事業認可に通らならいのはもちろん、罰則を受ける可能性もあるため、注意が必要です。

必要な備品が完備されていること

机やイス、営業用の電話などを設置する必要があります。また、その他事業運営に必要な備品についても用意しておく方が無難です。

※備品の設置については、写真を撮っておくようにしましょう。管轄の運輸局によっては写真の提出を求められる場合もあります。

認可までの流れ

※ここからは休憩室・仮眠室の書類作成をピックアップして解説していきます。新規認可全体の申請の流れを確認したい場合は『貸切バス(一般貸切旅客自動車運送事業)の新規許可申請 / 貸切バス事業の始め方』の「貸切バス事業許可までの流れ」の項目をご覧ください。

手順1.書類を準備する

休憩室・仮眠室についての書類はありません。ただし、事業認可申請を行う際に提出する「事業計画・事業施設概要書」の「2.事業用自動車の用務員の休憩、仮眠又は睡眠のための施設の概要」箇所に適宜記入しなければなりません。

書類自体は管轄の運輸局のホームページからダウンロードできます。例えば、関東運輸局の場合は以下のページに用意されています。

一般貸切旅客自動車運送事業の許可申請について - 関東運輸局
関東運輸局のホームページ

※関東運輸局の場合、「許可申請書様式」内に「事業計画・事業施設概要書」があります。

手順2.書類内容を記入する

事業認可申請時に提出する「事業計画・事業施設概要書」の休憩室・仮眠室に関する項目を埋めていきます。該当箇所は4箇所なので、記入自体に時間がかかるものではありません。

事業計画・事業施設概要書の休憩室・仮眠室の書き方

営業所名

営業署名を記入します。複数ある場合はそれぞれに分けて記入しなければなりません。

位置

休憩室・仮眠室が設置されている建物の住所を記入します。賃貸物件の場合は賃貸借契約書通り、自己所有の場合は登記簿通りの住所を記入する必要があります。

また、営業所および事業用自動車を保管している駐車場から直線距離で2km以内の場所であることを必ず確認しておきましょう。

収容能力

実際に休憩室・仮眠室として使用するスペースの面積を記入します。広さに規定があるわけではありませんが、1人あたり2.5㎡以上あることが望ましいです。

備考

自己所有か借入のどちらかに〇をつけます。

まとめ

以上が貸切バス事業の休憩室・仮眠室の要件と新規認可での書類の作成方法です。

以降の流れにつきましては、その他の必要書類や経営許可申請書などを準備し、管轄の運輸局への提出へとなっていきます。

貸切バス(一般貸切旅客自動車運送事業)の新規許可申請 / 貸切バス事業の始め方』でも詳しく解説していますので、ご参考ください。

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