貸切バスの更新書類

貸切バス事業(一般貸切旅客自動車運送事業)の輸送実績報告書の書き方について

貸切バス事業(一般貸切旅客自動車運送事業)の輸送実績報告書の書き方

貸切バス事業を営んでいる事業所は毎年5月に輸送実績報告書というものを提出しなければなりません。輸送実績報告書では実働車両数や走行距離、運行回数などを細かく記入する必要があり、はじめて報告書を作成する方には少し難しく感じるかもしれません。

そこで、本記事では輸送実績報告書の書き方について解説していきます。

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輸送実績報告書とは?

輸送実績報告書とは4月1日~3月31日までの輸送実績を管轄の運輸支局に報告するための書類です。毎年5月に提出しなければならず、年度が切り替わったタイミングですぐに報告書の作成に取り掛かる必要があります。

輸送実績報告書は事業報告書よりも内容が薄く感じる場合もあります。しかし、更新申請の書類作成時にとても役立つ資料となります。そのため、毎年の輸送実績報告書についてはしっかりと正確に書いておくことが大切です。

輸送実績報告書の書き方

輸送実績報告書の書き方

輸送実績報告書には主に7つの項目を記入していきます。

特に実在庫車両数や実働車両数については計算が必要であったり、走行キロについては日々の記録が必要であったりします。そのため、日ごろから稼働実績や走行距離の記録をつけることが大切です。

【記載内容】

  • 延実在庫車両数
  • 延実働車両数
  • 走行キロ
  • 輸送人員
  • 運行回数
  • 営業収入
  • 事故件数

延実在庫車両数の書き方

延実在庫車両数については管轄区域内と全国に分けて記入します。全国というのは管轄区域以外に支店や営業所などがある場合、すべてをまとめて記入する項目となります。

延実在庫車両数は以下の計算式を使用して計算し、記入します。

【計算式】
保有車両台数×365日=延実在庫車両数
※うるう年は366日

たとえば、事業用自動車を3台保有している場合は3台×365日なので1,095台となります。
※日=延実在庫車両数を意味します

延実働車両数の書き方

延実働車両数も延実在庫車両数と同様に計算して記入します。

【計算式】
保有車両台数×稼働日数=延実働車両数

たとえば、事業用自動車を5台保有し、1ヶ月に20日稼働した場合は、5台×20日×12ヶ月なので1,200台となります。月によって稼働日数が異なる場合は平均日数を用いても問題ありません。

走行キロの書き方

走行キロには全車両が実際に走行した距離を管轄区域内と全国に分けて記入します。さらに、実車キロについては、実際に運行した距離を記入しなければなりません。そのため、運行の際は必ず走行距離を記録するようにしましょう。

輸送人員の書き方

該当年度における輸送人員を記入します。輸送人員についても管轄区域内と全国に分けて記入します。

運行回数の書き方

運行回数は、まず旅行業者扱いを含んだ回数を記入します。そして、旅行業者扱いの詳細についても記入しなければなりません。

たとえば、通常の企画旅行と都市間の移動を目的とした運行回数に分けて記入する必要があります。4月1日から3月31日までの実績を記入するため、日ごろの記録が重要となります。

運行回数については厳しくチェックされるため、必ず正確な数字を書くようにしましょう。

営業収入の書き方

営業収入についても管轄区域内と全国に分けて記入します。また、単位が千円となっているため、書き間違えに注意が必要です。

事故件数の書き方

事故件数については正確に報告しなければなりません。万一、虚偽の報告をした場合は営業停止命令などの罰則を受ける可能性もあります。事故を起こしていたとしても、しっかりと報告するようにしましょう。

交通事故件数

警察が介入した事故の件数を記入します。たとえば、敷地内で少しミラーを擦ったなどの警察が介入していない事故については報告しなくても問題ありません。

重大事故件数

重大事故件数では運輸支局への報告義務がある事故件数を記入します。たとえば、転覆や転落など、車両運行が不能になるレベルの事故や鉄道の接触があった場合については重大事故に含まれます。

その他、死亡事故はもちろん、10台以上の衝突についても重大事故となります。

重大事故件数については虚偽の内容を記入すると厳しい罰則が科せられてしまいます。そのため、正確に記入するようにしましょう。

死者数

事故による死者数を記入します。
※死亡事故を起こした場合、すぐに事業者監査が入るのはいうまでもありません。

負傷者数

事故による負傷者数を記入します。

輸送実績報告書の提出場所

輸送実績報告書の提出場所は管轄の運輸支局になります。関東や関西、九州については事業者が多く、混みあう恐れがあります。そのため、時間には余裕を持って提出するようにしましょう。

輸送実績報告書の提出期限

輸送実績報告書の提出期限は毎年5月31日までとなっています。4月1日から3月31日までの報告書を5月31日までに提出しなければならないため、該当年度が終わった段階ですぐに輸送実績報告書の作成に取りかかる必要があります。

特に計算が必要であったり、各記録を確認する必要があったりするため、作成には時間がかかることも珍しくありません。時間に余裕を持って報告書の作成を行いましょう。

輸送実績報告書の保存期間

輸送実績報告書の保存期間については特に定められていません。しかし、事業更新の際に必要な書類を作成する際に資料として役に立つケースもありますので、少なくとも過去5年分を保管しておくことをおすすめします。

まとめ

輸送実績報告書は貸切バス事業を営むすべての事業者が毎年5月31日までに提出しなければなりません。延実在庫車両数や延実働車両数など計算が必要な項目もあり、作成には時間がかかることもしばしばあります。

そのため、3月31日を過ぎた段階ですぐに報告書の作成を進めるようにしておきましょう。

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