貸切バス事業で赤字になると、事業の継続ができるのかが心配になると思います。財務的な状況は各社の状況によるため明確に答えることはできませんが、政府の事業更新のルールについて明確な決まりがありますので、この記事で紹介します。
2017年2月 行政書士試験に合格。2017年10月 特定行政書士研修を修了し考査に合格。運送業者を中心に関与する。
直近で3期連続で債務超過が続くと事業更新ができない
国土交通省では事業更新できない場合の条件として以下の内容が定められています。
・更新許可については、申請直近1事業年度において事業者の財務状況が債務超過であり、かつ、申請直近3事業年度の収支が連続で赤字である場合
引用:軽井沢スキーバス事故対策検討委員会について
債務超過とはバスや不動産などの資産を全て売却しても収支がマイナスの状態を言います。(以降では「赤字」を債務超過の意味で使います。)そのため、3期連続で赤字でない状態であれば事業更新は可能です。
例えば、昨年は赤字だったが、一昨年とその前は黒字であった場合には事業更新できます。車両の老朽化や管理システムの導入などで一時的に赤字になる年度があったとしても連続で赤字でなければ問題ありません。
また、貸切バス事業自体は赤字の年度でも別事業の合算で黒字であれば、その年は黒字として見なされます。
【自社が債務超過か判断する方法】
直近年度の貸借対照表の純資産合計がマイナスの値になっている状態であれば債務超過です。
現時点で3期連続赤字見込みの場合は更新する方法はあるのか
事業収支見積書で経営計画を説明する
3期連続で赤字になってしまったとしても、その赤字の内容によっては事業更新ができる可能性があります。したがって、赤字の理由と今後の計画について明確に説明できるようにしておく事が必要です。例えば、赤字の理由は設備投資による一時的な経費増が原因で、今後はその設備を使って2年以内に黒字になる見込みであるなどを説明できれば良いのです。
赤字を補う借入があれば事業更新が可能
金融機関や親会社、社長の個人預金などから赤字分を補填できるだけの借入があれば事業更新が可能となります。
事業計画が5期連続で赤字の計画になっていると更新ができない
将来的に黒字になる事が見込めるとしても計画段階で5期連続で赤字になっている場合には、事業更新できないため注意が必要です。継続しない方が良い事業として考えられてしまうためです。したがって、「1期、2期目は赤字だが、3期目で黒字」、「1〜4期で赤字だが、5期目で赤字分の回収ができて黒字に変わる」など、5期連続で赤字にならない計画にする必要があります。
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